葬儀に必要な数珠や法具のマナー

葬儀を行う家族にとっても、参列者にとっても、仏教葬の場合に数珠は欠かせない法具です。この数珠は、宗派によって形状や持ち方が異なります。
また、仏教葬以外の神道葬やキリスト教層では、数珠とは異なる宗教用具が必要です。まずは、数珠の種類や持ち方について説明します。

数珠には本連数珠と略式数珠の2種類がある

数珠には大きく分けて2種類あり、珠が108個ある本連数珠と、珠の数が半数、3分の1、6分の1など、簡略した略式数珠があります。

本連数珠は宗派によって形状や持ち方に決まりがあるのに対し、略式数珠は宗派に関係なく使うことができます。

宗派を重んじ、厳密な作法で臨みたい場合は本連数珠を、そうでなければ略式数珠を持つといいでしょう。

数珠の珠の材質は七宝がいいとされていますが、最近では菩提樹やガラス、セルロイドの数珠があります。材質や色、房の形もまた宗派によって決まりがあるため、選ぶときは注意が必要です。

本連数珠の珠の種類は全部で6種類

宗派に合った本連数珠を選ぶために、まずは本連数珠の珠の種類を紹介します。

親珠

数珠の中心にある房付きの珠です。『釈迦如来』 『阿弥陀如来』を表します。

主珠

108の珠です。『百八尊』 『百八煩悩』を表します。

四天珠

主珠の間にある4つの珠です。『四天王』 『四菩薩』を表します。

弟子珠

房につく20個(日蓮宗は40個)の小さな珠です。『十大弟子と十波羅密』 『十大弟子と 十菩薩』を表します。

露珠

弟子玉を留めるために、弟子玉の下に着く露型の玉です。

浄明珠

房の一番上、親玉の下にある玉です。『菩薩』を表します。

本連数珠の6種類の珠をつなぐのが中通しの紐で、『観音菩薩』を表します。略式数珠の場合は、親珠、主珠、二天珠(本連数珠の四天珠の数が減ったもの)から構成されます。

本式数珠は、宗派ごとに形状や持ち方は異なる

本式数珠は、宗派によって形状、持ち方が異なります。宗派ごとに一般的なマナーを紹介します。

天台宗

主珠 108珠
親珠 1珠
四天珠 4珠
房の形状 菊房、利休房

持ち方は、両手の人差し指と中指の間にかけ、数珠の中心にある房付きの玉・親珠が下に垂れ下がるように持ち、そのまま合掌をします。

真言宗

主珠 108珠
親珠 2珠
四天珠 4珠
房の形状 菊房、利休房

持ち方は、両手中指に数珠をかけ、房が手の甲側に垂れるよう持ち、そのまま合掌します。

浄土宗

2つの数珠を交差させたような独特の形状の用い、男女で珠の数が異なります。

主珠 合計40~47珠
親珠 合計2珠
副珠 21~28珠
房の形状 菊房、利休房

持ち方は、両方の輪の親珠を揃え、合掌した手の親指に数珠をかけて房を手前に垂らします。

浄土真宗

本願寺派、大谷派の2派ありますが、いずれの浄土真宗も珠の数に決まりがありません。また略式数珠を用いるのが好ましいとされています。

主珠 決まりなし
親珠 決まりなし
四天珠 決まりなし
房の形状 男性は紐房、女性は切房

持ち方は、本願寺派は合掌した手に数珠をかけ、房を下に垂らします。大谷派では親珠を上に親指で挟むように持ち、房を左側へ垂らします。

臨済宗

主珠 108珠
親珠 1珠
四天珠 4珠
房の形状 紐房、切房

持ち方は、輪を二重にして左手に数珠をかけ、房を下に垂らして合掌します。

曹洞宗

主珠 108珠
親珠 2珠
四天珠 4珠
房の形状 菊房、利休房

持ち方は、輪を二重にして左手に数珠をかけ、房を下に垂らして合掌します。

日蓮宗

在家の信者であっても、必ず本式数珠を用いるようにとされています。

主珠 108珠
親珠 2珠
四天珠 4珠
房の形状 右手側に2本、左手側に3本

持ち方は、房が右手に2本、左手に3本となるように、数珠を8の字に捻じって中指にかけ、合掌します。

神道葬やキリスト教葬で持つ宗教用具とは

仏教の葬儀では、焼香の際に数珠を持ちますが、神道の葬儀である神葬葬や、キリスト教の葬儀であるキリスト教葬では、何を持つのでしょうか。

神道葬では、仏教葬でいう焼香の代わりに、玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。玉串とは、榊の小枝に紙垂(しで)という紙片を結びつけたものです。

その玉串に、故人の霊を慰める想いを込めて、祭壇前にある玉串案に捧げる奉奠を行います。玉串は葬儀社が用意します。

キリスト教は大きく分けて、カトリックとプロテスタントに分かれます。カトリックでは地方によってはロザリオを用います。ロザリオは首にはかけず、手に持って祈ります。プロテスタントではごく一部の教派を除き、ロザリオは用いません。

このほかにも、さまざまな宗教があり、宗教用具だけでなく服装も変わってきます。どのような宗教、宗派で葬儀が行われるのか、あらかじめ確認しましょう。

持ち物や服装がわからない場合は、葬儀社に相談することをお勧めします。